これまでにもthymosin-β4が組織の線維化を抑制するという報告はあったが、そのメカニズムはほとんど明らかにされていなかった。本研究では、thymosin-β4 の遺伝子改変マウスを用いることで、内因性のthymosin-β4 が確かに肝臓の線維化を抑制していることを明確に示した。またその過程で、これまでに考えられてきた作用機序とは異なる新たなthymosin-β4 の働きを示すことができた。本研究成果により、肝硬変の発症メカニズムがより深く理解され、また、将来的にはthymosin-β4 をターゲットとした治療薬の開発にもつながると期待している。
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