これまで明らかとした膜タンパク質PGRMC1の構造的機能制御に知見を基に、PGRMC1を標的とする薬剤の選定を行った。これら候補化合物はPGRMC1と結合してEGFRとの会合を阻害することにより、PGRMC1を介したがん増殖を抑制することを見出した。さらに、PGRMC1 cKOマウスによる解析から、高脂肪食による肥満モデルにおいてPGRMC1が脂肪細胞の脂質蓄積を亢進して肥満増強機能を示すことを明らかとした(Commun Biol, 2020)。標的薬剤はこれらの脂質蓄積効果を抑制することから、癌やメタボリックシンドロームに対する新たな治療薬の開発に繋がることが期待される。
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