• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

ホメオボックス転写因子CDX2による腸管粘膜免疫防御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K06928
研究機関福井大学

研究代表者

青木 耕史  福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40402862)

研究分担者 堀 一也  福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (50749059)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードオートファジー / 腸管粘膜 / 腸炎
研究実績の概要

これまでの解析から、CDX2が炎症を抑制することが分かった。そこで、cDNAマイクロアレイ法により、CDX2が発現を制御する遺伝子を解析したところ、ICEBERGを見出した。ICEBERGは、炎症性シグナルを抑制する可能性が示唆されている。そこで、ChIP-seq解析などを行った。その結果、CDX2が、ICEBERGのゲノム領域に結合していることが分かった。そこで、ICEBERGの下の領域をクローニングして、luciferase reporterに導入したreporter plasmidを作成した。また、ICEBERGの発現を誘導できるテトラサイクリン依存性細胞を作成したところ、ICEBERGがIL18の成熟型の産生を抑制することが分かった。
2 stepの免疫沈降法により同定したCDX2とATG7の両分子に結合する分子X1, X2, X3の各分子にflagタグで標識し、テトラサイクリン依存性に発現誘導するTet細胞を作成した。それぞれの分子を発現し、anti-flag抗体を用いて、免疫沈降を行い、内因性のCDX2とATG7にそれぞれ結合することを、確認した。次にそれぞれの分子の発現を誘導し、オートファジーへの影響を調べた。その結果、X2が、オートファジーの活性をより上昇することが分かった。そこで、内因性のX2の役割を調べるために、テトラサイクリン依存性にX2に対するmicroRNAを発現誘導できる実験系の確立を進めた。CMVの下流にEGFPを導入し、EGFPの下流にmicroRNA配列を結合する設計とした。X2に対するmicroRNAを3個、デザインし、それぞれのmicroRNAを発現する細胞を作成している。今後、X2に対するmicroRNAを発現する細胞を用いて、内因性のX2のオートファジーの活性制御における役割や、腸粘膜防御における役割を解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定した実験を概ね実施することができた。

今後の研究の推進方策

CDX2による炎症やインフラマソームの抑制機構を解明するために、CDX2によるICEBERGの発現制御機構を解析する。ICEBERGのプロモーター領域を導入したLuciferase reporter plasmidを用いて、CDX2による発現制御を解析する。転写活性を欠損したCDX2変異体なども用いる。ICEBERGのプロモーター領域を切断することにより、CDX2の結合領域を同定する。さらにChIP解析により、CDX2の結合部位について、確認する。また、CDX2誘導時に、ICEBERGの発現を抑制することにより、CDX2によるインフラマソームの抑制におけるICEBERGの役割を解析する。
CDX2とATG7の両分子に結合する分子X2の発現を抑制するテトラサイクリン依存性誘導細胞を用いて、X2分子の発現を抑制したときの、オートファジーの活性の変化を解析する。次に、X2分子の発現を抑制したときの、粘膜防御を解析するために、X2分子の発現を抑制した細胞に、赤痢菌などを感染し、細胞内で増殖した赤痢菌の数などを経時的に調べる。また、CDX2の発現を誘導したときにX2分子の発現を抑制し、CDX2とX2の相互作用の意義などについても解析を進める。

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi