本研究は、国内外の研究において長年不明であった「細胞極性蛋白質がどのようにTJを形成させるのか」という問いに対して、少なくとも部分的に答えを与え得るものと考えている。TJ に関連するこれまでの研究において、claudin分子のオリゴマー化に対する負の制御因子の報告は極めて珍しく、この新規TJ 制御因子の報告はインパクトを与えることが期待される。また、この制御因子がTJに特異的に局在する膜タンパク質であることからTJをターゲットとした創薬や薬物デリバリーの候補や、上皮に関連した疾患の理解や治療法の基礎を提供し得るかもしれない。
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