ヒストン脱メチル化酵素が乳がんに与える影響を調べるため、ヒストン脱メチル化酵素であるUTXおよびKDM4Bの乳腺組織特異的ノックアウトマウスを用いて、乳がん発症マウス(MMTV-PyMTマウス)に及ぼす影響を検討した。その結果、Utx欠損とMMTV-PyMTの複合変異を持つ乳がん発症マウスでは腫瘍増殖や肺転移、浸潤能が促進していた。一方、Kdm4b欠損とMMTV-PyMTの複合変異を持つ乳がん発症マウスでは腫瘍増殖が抑制される結果を得た。KDM4Bの欠損は乳がん細胞の発生もしくは増殖を抑制する可能性が示唆された。
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