早期乳児てんかん性脳症(EIEE)は重篤な先天性疾患であるがその原因遺伝子は多岐にわたる。一部のタイプは神経細胞の興奮性に関わるイオンチャネル関連遺伝子の変異によって引き起こされていることが知られているがメカニズムが不明の原因遺伝子が多い。EIEEの一つEIEE35はITPA遺伝子の変異が原因であることが2015年に報告されたがメカニズムは不明であった。ITPA欠損が神経細胞の静止膜電位脱分極を引き起こし神経細胞の易興奮性とてんかん発作を引き起こすことを明らかにした本研究はITPA欠損症のみならず他のてんかん性脳症のメカニズム解明と治療法確立にも繋がる可能性があり学術的意義と社会的意義が高い。
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