蛋白質脱アセチル化酵素SIRT1の筋機能を調べるため骨格筋特異的SIRT1ノックアウト(SIRT1-MKO)マウスを作成した。SIRT1-MKOマウス骨格筋は脆弱で崩壊しやすく筋ジストロフィー症状を示し、SIRT1が骨格筋の維持に必要であることを明らかとした。さらに、C2C12筋芽細胞および筋細胞を用いて、SIRT1が細胞膜の修復に働くことを世界で初めて明らかとした。これまでSIRT1の活性化が筋ジストロフィーの治療に有効であることを示してきたが、そのメカニズムにSIRT1による細胞膜修復が関与する可能性を本研究は示し、細胞膜修復の促進が筋ジストロフィーの新しい治療戦略であることが示された。
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