我々は老化メカニズムの解明を長期目標とし、老化関連遺伝子の探索・解析を行ってきた。無作為に遺伝子を破壊したジーントラップ短寿命モデルマウスをもちいて、明確な病態を示さずに肥満を呈して短寿命となる原因遺伝子として16番染色体16qC1.1-3領域に位置するzbtb20遺伝子を特定した。当該遺伝子異常は、ヒトでは3番染色体欠失症候群や常染色体劣性遺伝子疾患プリムローズ症候群を発症し、早老症に酷似した病態を発症することが報告されていた。そこで本研究では、当該タンパク質の機能解析を実施し、当該遺伝子発現異常による肥満および短寿命のメカニズムに脂質代謝の同化作用の亢進が関与していることを明らかにした。
|