難治性疾患である骨髄異形成症候群(MDS)の分子病態の解明を目指し、高頻度で見られる20番染色体長腕欠失を手掛かりに、同部位にMDS疾患関連遺伝子が存在するとの仮定のもと、その同定及び解析を目指した。発現低下の臨床的意義が明らかになった遺伝子(PTPN1、BCAS4)に関してその生物学的意義を検討した。両遺伝子に関して強制発現および発現遮断の実験により、発現低下が骨髄系腫瘍細胞の増殖促進をもたらすことを示した。PTPN1がコードする蛋白チロシンホスファターゼ(PTP-1B)はJAK2シグナル伝達経路において細胞増殖に関与するSTAT5を脱リン酸化することによりその機能を抑制することを示した。
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