研究課題
本年度は、作成した下記4群のマウスモデルに対し、遺伝学的解析を行った。①Glo1 WT/VB6(+): コントロール群、②Glo1 WT/VB6(-): VB6欠乏群、③Glo1 KO/VB6(+): Glo1遺伝子欠損群、④Glo1 KO/VB6(-): Glo1遺伝子欠損とVB6欠乏のコ ンビネーション効果群前年度までの解析の結果、④Glo1遺伝子欠損とVB6欠乏のコ ンビネーション効果群の前頭皮質においてミトコンドリアの機能異常が示唆されたことから、上記マウスの前頭皮質よりミトコンドリアを抽出し、Flux analyzerを用いてミトコンドリア呼吸鎖能を評価した。その結果、Glo1 KOとVB6欠乏を組み合わせた際に有意に呼吸鎖障害を生じていることが分かった。ミトコンドリアの機能異常は酸化ストレス亢進を引き起こすことが知られている。そこで、前頭皮質において酸化ストレスの評価を行ったところ、H2O2や8-OHdG、MDAなど酸化ストレス指標が、④Glo1遺伝子欠損とVB6欠乏のコ ンビネーション効果群においてのみ、亢進しているという結果が得られた。したがって、Glo1遺伝子欠損とVB6欠乏組み合わせにより、前頭皮質特異的に遺伝子発現の異常が生じ、ミトコンドリア機能異常及び酸化ストレスの亢進が惹起されることが明らかとなった。
2: おおむね順調に進展している
コロナ禍の影響により動物実験が計画通りに行えず、論文の修正に時間がかかった。また、論文投稿先の査読システムにも影響が出ており、査読過程にかなりの時間を要した。
現在、論文投稿先から査読を受け、追加実験及び投稿論文の修正中にある。できるだけ早いアクセプトを目指す。
コロナ禍の影響により動物実験が計画通りに行えず、論文の修正に時間がかかった。また、論文投稿先の査読システムにも影響が出ており、査読過程にかなりの時間を要した。できるだけ早い論文のアクセプトを目指し、残額は投稿料として使用する。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) 図書 (1件)
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巻: 13 ページ: e12574
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巻: 12 ページ: 2021
10.1038/s41467-021-21917-7
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