研究成果の概要 |
本研究では, 仮説:“老化細胞を除去すると, 原発性胆汁性胆管炎/肝硬変 (PBC)は治る” を検証し, PBCの新しい治療法の開発をめざした。PBCの肝内小型胆管は高率に細胞老化を示すこと,PBCの細胆管細胞における細胞老化は病期, 活動性,標準治療薬:ウルソデオキシコール酸(UDCA)治療不応性に関連することが明らかとなった。さらに,培養細胞を用いた検討では, PBCで発現亢進する細胞老化関連分子Bcl-xLやIFIT3を標的にした薬剤やsiRNAなどによって老化細胞を選択的に除去できることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PBCの国内患者数は5-6万人と推定されており,約30-40%のUDCA無効例に対する新しい治療薬の開発基盤の確立は意義がある。本研究では, PBCにおける胆管細胞老化は, 病期, 活動性, UDCA治療不応性に関連することを明らかにした。また, 細胞老化関連分子Bcl-xLやIFIT3などは,老化細胞除去薬やsiRNAなどを用いた老化細胞除去の有効な標的となった。本研究は, PBCの新しい治療法として老化細胞除去療法が有望である可能性を示した。
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