研究課題
基盤研究(C)
脂肪肉腫は脂肪細胞への分化を示す悪性腫瘍であり、適切な診断と治療を行う必要がある。そこで脂肪肉腫の病理診断の精度を高めることを目的に種々の検討を行った。その結果、良性と悪性の区別にはp16免疫染色が有用であること、他の悪性腫瘍との鑑別にはMDM2遺伝子の増幅やMDM2蛋白の過剰発現の証明が役立つこと、また脂肪肉腫は予想以上に周囲に浸潤する腫瘍であることなどを明らかにした。この成果に基づき、脂肪肉腫の診断精度が高まり、治療法の改善につながることが期待される。
人体病理学
脂肪肉腫は発生頻度の低い悪性腫瘍であり、その病理診断は必ずしも容易ではない。良性の脂肪腫や他の悪性軟部腫瘍と間違われることも稀ではなく、正しく病理診断を行うことが適切な治療の前提となる。今回の研究成果で、脂肪肉腫の診断に補助的診断手段(p16およびMDM2免疫染色など)の活用が有効であることを明らかにした。これを用いることで、脂肪肉腫の診断精度が向上し、適切な治療法を選択することが可能になると期待される。