研究課題
前年度より継続して行ってる口腔・舌癌を対象とした臨床実験では、術前化学・放射線療法を行ったグループと行っていないグループにおいて、いずれにおいてもリンパ節におけるCD169陽性マクロファージが多い患者で術後生存率が優位に良好であったが、術前化学・放射線療法を行ったグループでその傾向がより顕著であった。すなわち、術前治療によって癌由来の死細胞が増えることで、がん免疫能の賦活化が促され、がん免疫誘導に関わるリンパ節CD169陽性マクロファージの重要性がより増していると考えられる。また、胃癌の症例を集積して同様の解析を行ったところ、胃癌においても口腔癌と同様にリンパ節CD169陽性マクロファージが多い症例ほど優位に術後生存率が良好である結果が得られた。
2: おおむね順調に進展している
膵臓癌、口腔癌、胃癌の症例を集積でき、いずれの癌症例においても同様の結果が得られている。
最終年度では、リンパ節CD169陽性マクロファージとがん免疫療法の重要な標的であるPD-L1との相関性と、CD169陽性マクロファージに由来する液性バイオマーカーの探索を主な目的とする。そのための培養実験と血清サンプルの集積をすでに行いつつある。
今年度の複数の実験計画が共通の試薬購入で対処できたため、予定額よりも安い金額で完遂することが出来た。一方で、次年度では大規模な統計学的解析などのため、専用の解析ソフト等の購入が必要になる可能性が考えられたため、その残額を次年度計画のために使用することにした。
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