研究課題
当該年度では、次世代シークエンサーを用いたパイロットスタディにおいて候補となりえるマイクロRNAをいくつか抽出し、複数のマイクロRNAのベクターの作成を行った。マイクロRNAの機能解析のために、細胞株を用いて当該マイクロRNAの過剰発現とノックダウン細胞を得ることができた。また、RNA-FISHを行うためのプローブについても作成した。作成した細胞を陽性コントロール、陰性コントロールとしてRNA-FISHの系の確立を行った。一般に臨床検体ではホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いる場合が多いので、細胞のペレットをそのまま、もしくはマトリゲルに埋めたものなどをホルマリン固定し、種々の条件検定を行った。概ね使用可能な系の確立をすることができたので、本課題と並行していくつかのプロジェクトに参加し、有意義なデータを得ることができた。当該年度ではこれらの結果を論文にまとめることができた。一方で、臨床検体の収集については、前年度から引き続き行い、臨床担当医とのカンファレンスを定期的に行うことによって症例の臨床情報を適切に解析することができた。サンプルの保存についても倫理事項に留意したうえで、保存するためのプロトコールを改良しながら少しずつ増やしていくことができるであろうと考えられる。頚部腺癌についてはヒトパピローマウイルスの関与について調べる必要があるので、p16の免疫染色を広く施行して臨床データと照らしあわせ、該当症例と非該当コントロール症例に分けて群として解析していくことに着手した。このような症例の解析についても当該年度で入念に行った。
3: やや遅れている
比較的大きいデータ数を得るための検体収集が難しいため。
前向きに症例を収集することに尽力する予定である。
研究計画の遅延により差額が生じたため。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Carcinogenesis
巻: 193 ページ: 00-00
doi: 10.1093/carcin/bgz193.