研究課題
当該年度は症例の各種染色(RNA-ISHおよび免疫染色)の解析を中心に行った。光学顕微鏡で可視化可能な標識方法を用いたため、通常顕微鏡にて観察、解析を行った。Tissue microarray検体についても同様に解析をし、通常観察による定量と自動顕微鏡を用いた定量の両方を行い、それぞれについて評価をした。解析を行った分子については、具体的にはmiR-199/214, miR-8080, CD44, TTF-1などがあり、それぞれの疾患の臨床情報を含めた包括的な解析を行うことができた。マイクロRNAのin situ hybridizationとたんぱく質に対する免疫染色を組み合わせることはホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いた癌の解析においては強力なツールとなると考えられ、将来的にこの方面での研究を進めることが急務であると考える。現在、マイクロRNAを用いた癌のスクリーニングについては、乳がん検診受診者の血液検体を用いた大規模治験が進められており、13種類のがんを対象にした「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」で開発された診断モデルと検出技術が用いられるとのことである(国立がん研究センターHPより)。我々が注目した不正出血検体を用いた子宮癌の健診についても、近い将来、マイクロRNAスクリーニングが臨床応用されるであろうと考えられ、簡便かつ高感度な新たなリキッドバイオプシー法として期待される。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件)
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