| 研究課題/領域番号 |
18K07004
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| 研究機関 | 産業医科大学 |
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研究代表者 |
松山 篤二 産業医科大学, 大学病院, 講師 (80351021)
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| 研究分担者 |
久岡 正典 産業医科大学, 医学部, 教授 (40218706)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 脂肪肉腫 / 脱分化 / 遺伝子異常 / 次世代シーケンス |
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| 研究実績の概要 |
異型脂肪腫様腫瘍が脱分化型脂肪肉腫へ変化する「脱分化」に関与する分子異常は充分には解明されていないため、本研究では、個々の症例における脱分化型脂肪肉腫成分と異型脂肪腫様腫瘍の分子異常を次世代シーケンス解析を用いて比較し、脱分化の分子機序を解明することを目標とする。脱分化型脂肪肉腫5例を対象とし、異型脂肪腫様腫瘍と脱分化型脂肪肉腫それぞれの成分の新鮮ないし凍結腫瘍組織からRNAを抽出し、網羅的にmRNAの発現状況を解析するとともに、検体間比較による脱分化前後での発現変動を解析することにより、脱分化機序に責任的役割を果たす因子の候補を探索することとした。解析のための機器は我々の所属施設に設置されていないため、外部業者に委託して進めていく。まず、当該業者を選定し、Illumina社のHiSeq 2500を用いて解析し、検体間比較にはDifferential expression analysis for sequence (DESeq)法を用いることとし、具体的な研究方法、手順、サンプルの配送方法、研究がうまくいかなかった場合の対処法などに関する打ち合わせを行った。次に、次世代シーケンス解析を行う対象となる脱分化型脂肪肉腫症例を組織学的・免疫組織化学的検討を行って選定した。症例数は5例を予定しており、該当すると思われた4例の凍結腫瘍組織からのRNA抽出を行う予定とした。このうち2例はRNA抽出が成功し、拡散の質・収量ともに充分研究可能と考えられたが、他の2例は脱分化型脂肪肉腫成分と異型脂肪腫様腫瘍成分を分離することができず、別々のRNA抽出が困難と判断されたため検討を断念した。従って、現時点では、該当する症例が未だ収集できていないため、解析が進められない状態であるため、解析を一時中断して症例の収集に努めている状態である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
外部業者に委託して次世代シーケンス解析を進める対象となる、脱分化型脂肪肉腫症例を組織学的・免疫組織化学的検討を行って選定したが、予定としていた5例の症例数を収集できなかったため、解析を一時中断した。収集できなかった理由として、該当すると思われた凍結腫瘍組織が保存されている症例のうち、脱分化型脂肪肉腫成分と異型脂肪腫様腫瘍成分から別々にRNAを抽出することができなかったものが複数例あったためである。これらを分離して別々に解析することができなくても、異型脂肪腫様腫瘍成分を含む脱分化型脂肪肉腫成分と含まない脱分化型脂肪肉腫成分で解析すれば目的とする結果が得られる可能性もあるが、高額な解析手法であるとともに、期間的にも余裕があるため、来年度以降に解析を遅らせて症例が収集できるのを待つこととした。
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| 今後の研究の推進方策 |
まずは対象となる、異型脂肪腫様腫瘍と脱分化型脂肪肉腫それぞれの成分から次世代シーケンス解析が可能である脱分化型脂肪肉腫5例を収集する。5例の解析が可能となったところで収集を中止する。RNAを抽出し、ライブラリ調整をした後に、次世代シーケンス解析を用いて網羅的にmRNAの発現状況を解析するとともに、検体間比較による脱分化前後での発現変動を解析することにより、脱分化機序に責任的役割を果たす因子の候補を探索する。以上は外部の業者に委託して進めることとしており、その研究方法や手順、サンプルの配送方法、研究がうまくいかなかった場合の対処法などは打ち合わせ済みである。次世代シーケンス解析はIllumina社のHiSeq 2500、検体間比較にはDifferential expression analysis for sequence (DESeq)法を用いることを予定している。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
脱分化型脂肪肉腫成分と異型脂肪腫様腫瘍の次世代シーケンス解析を委託する業者を選定し、解析にIllumina社のHiSeq 2500、検体間比較にDifferenti
al expression analysis for sequence (DESeq)法を用いることとし、具体的な研究方法に関する打ち合わせを行った。そこで、次世代シーケンス解析を行う対象となる脱分化型脂肪肉腫症例を選定しRNA抽出を行う予定としたが、脱分化型脂肪肉腫成分と異型脂肪腫様腫瘍成分を分離してRNA抽出することが困難と判断された例があった。従って、現時点では、該当する症例が未だ収集できていないため、次世代シーケンス解析を一時中断し次年度以降に延期している状態である。この次世代シーケンス解析に必要な費用を研究費として請求する予定であるため、直接経費として計上されていた1,800千円全てを次年度使用額とすることとした。繰り越し額はライブラリ調整、次世代シーケンス解析として、次年度分とともに使用する予定である。
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