研究実績の概要 |
1875例の小児リンパ腫のcentral review症例から、未分化大細胞型リンパ腫を除く、成熟T細胞性リンパ腫・リンパ増殖性疾患は35例/1875例で、1.9%であった。うち9例がEBER陰性末梢性T細胞リンパ腫(PTCL, NOS, EB-)で、DNA抽出は5例で可能であった。発症年齢は9ヶ月から12歳(中央値11歳)、男女比2:3。リンパ節原発3例、節外原発2例、CD8陽性2例、CD4, CD8共に陽性1例、共に陰性2例、細胞障害分子(granzymeB またはTIA1)は5例全例陽性、ALK1, CD30は全例陰性であった。PTCL, NOS, EB- 9例をケモカインレセプターの発現パターンにより、CCR3、CXCR3、CCR4の3つの亜型に分類したところ、全例CCR3-typeであった。さらに、背景の免疫担当細胞についてCD20, CD1a, CD163染色を行ったところ、5例はCD20+pattern, 4例はCD163+patternであった。 全エキソーム解析では、NCOA2, TET2といったエピゲノム調節遺伝子の異常を認めたが、p53などのアポトーシス関連遺伝子は認めなかった。
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