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2018 年度 実施状況報告書

腫瘍微小免疫抑制環境下におけるI型IFN誘導『責任分子』の探索と免疫療法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K07009
研究機関旭川医科大学

研究代表者

小坂 朱  旭川医科大学, 医学部, 助教 (40561030)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード免疫抑制 / I型インターフェロン / アゴニスト
研究実績の概要

本研究では、免疫抑制状態におけるSTINGおよびTLRアゴニストによるI型インターフェロン(IFN)誘導機序の解明とその機構に関わる『責任分子』を同定するとともに、この『責任分子』の機能調節による免疫賦活能の増強とそのがん免疫療法の開発を目指す。
はじめに、マウスモデルを用いて免疫抑制環境下におけるSTING/TLRアゴニストによるI型IFN誘導機序を解明するために、in vitroで誘導したTAM (tumor-associated macrophages: 腫瘍関連マクロファージ) のモデル細胞を各々のSTING/TLRアゴニストで刺激した際のI型IFNの誘導能について検討を行った。腫瘍組織に存在するTAMは、抗腫瘍免疫応答の抑制や腫瘍増殖の促進作用を有することから免疫抑制性のM2マクロファージと類似の細胞集団と考えられている。そこで、マウス骨髄からコントロールマクロファージ(M0)および免疫抑制性マクロファージ(M2)を誘導し、M2をTAMのモデル細胞として検討に用いた。その結果、複数系統のマウスにおいて定常状態(M0)に比べ免疫抑制状態(M2)においてはTLRアゴニストの機能が低下する傾向が見られたが、STINGアゴニストの機能低下は見られなかった。
また、「先進ゲノム支援」(先進ゲノム解析研究推進プラットフォーム)により担がんマウスの腫瘍組織から回収したTAMを各々のSTING/TLRアゴニストで刺激した際のトランスクリプトーム解析を行い、遺伝子発現量の比較検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度に予定していたヒト末梢血由来マクロファージを用いた検討の代わりに、次年度に予定していた担がんマウスの腫瘍組織から回収したTAMを用いた検討を行った。このTAMを各々のSTING/TLRアゴニストで刺激した際のトランスクリプトーム解析を行ったことにより、in vitroで誘導したTAMのモデル細胞を用いた結果と比較検討することができ、より生理的な条件下での機序を解明することにつながると考えられる。

今後の研究の推進方策

TAMモデル細胞を用いた検討において、どのような分化因子がTLRアゴニストの機能低下に関与しているのか、またどのような分子がTLRアゴニストの機能低下に関与しているのかについて検討を行う。さらに、トランスクリプトーム解析をもとに更なる情報解析を行い、免疫抑制状態におけるI型IFN誘導に関与する『責任分子』の探索、およびTAMモデル細胞やヒト末梢血由来マクロファージにおいても同様の機序が存在するかについての検討を行う。これらの検討結果より免疫抑制状態におけるI型IFN誘導に関与する『責任分子』を同定し、その後に担がんマウスモデルを用いた『責任分子』の機能調節による抗腫瘍免疫効果についての検討、およびヒトがん組織における『責任分子』の発現量とその細胞内分布についての検討を行う。

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公開日: 2019-12-27  

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