申請者らは経産婦由来の脱落膜マスト細胞・ヒトマスト細胞株LAD2はすべてKIR2DL4を発現しており、そのリガンドであるトロホブラスト上のHLA-Gと相互作用し、LIFおよびMMP-9を産生することを見出した。前者はトロホブラストの移動を促進し、後者は血管増生を促進した。 一方、ステロイド長期使用の不妊患者ではマスト細胞数が著減し、そのKIR2DL4発現が消失することを見出した。本研究では、ヒトマスト細胞がKIR2DL4を介して妊娠成立に関与し、一部の不妊の原因がここにある可能性を示すことが出来た。
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