研究課題
胃がんは免疫組織学的な粘液発現のパターンにより、MUC2もしくはCD10陽性の腸型胃がん、MUC5ACもしくはMUC6陽性の胃型胃がんに大別される。腸型・胃型胃がんでは、背景に存在する遺伝子・分子異常を含めたpathogenesisが大きく異なることが知られている。昨年度樹立した50例の胃癌オルガノイド(胃型:17例、腸型:15例、胃腸混合型:18例、分類不能型:3例)を用いて、p53、MLH1、β-cateninの免疫染色や、MSI解析、TP53、KRAS、RHOA、TGFBR2、ARID1、ACVR2Aの遺伝子変異解析を行い、樹立した50例の胃癌オルガノイド全ての情報を含めたライブラリーを構築した。加えて、胃がんの化学療法に用いられる代表的な薬剤 (5-FU、オキサリプラチン)に対する薬剤感受性の検討も進めており、50例全例において5-FU、オキサリプラチンのIC50値の測定を終えた。オルガノイドサンプルを用いたRNA sequencing解析による遺伝子発現プロファイルを行い、胃型、腸型粘液形質の双方で5-FU、オキサリプラチン耐性に寄与する候補遺伝子を同定した。現在候補遺伝子に関して、胃癌症例における発現とin vitroの実験系を用いた分子生物学的な機能解析を進めている。加えて、製薬会社との共同研究の下で、特異的阻害剤のスクリーニングに着手し、現在検討中である。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 1件)
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