胃がんは免疫組織学的な粘液発現のパターンにより、腸型胃がん、胃型胃がんに大別される。両者は背景に存在する遺伝子・分子異常を含めたpathogenesisが大きく異なる。 昨年度樹立した50例の胃癌オルガノイドを用いて、遺伝子・分子学的な情報を含めたライブラリーを構築した。加えて、代表的な薬剤に対する感受性も検討した。RNA sequencing解析による遺伝子発現プロファイルを行い、胃型、腸型粘液形質の双方で多剤耐性獲得に寄与する候補遺伝子を同定した。現在、胃癌症例における発現とin vitroの実験系を用いた分子生物学的な機能解析を進めている。また、特異的阻害剤のスクリーニングを行なっている。
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