研究課題/領域番号 |
18K07018
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
濱田 大治 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (30771480)
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研究分担者 |
谷本 昭英 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10217151)
飛田 陽 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (10435026) [辞退]
横山 勢也 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20569941)
東 美智代 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 准教授 (60315405)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アロマターゼ / 乳癌 / 転写制御 |
研究実績の概要 |
本研究では、既存のアロマターゼ阻害剤(以下、AI)とは異なる、アロマターゼの遺伝子転写の抑制を標的にした新たな作用機序を有するAIの基盤研究を行い、臨床上の問題の解決につなげることを目的としている。本年度では、ヒト乳癌培養細胞のPCP4発現量をRNAi法による遺伝子ノックダウンや発現ベクターによる過剰発現により変化させ、PCP4およびアロマターゼの関連性を検討した。まず、ヒト乳癌培養細胞内および培養上清中のエストロンおよびエストラジオールを指標として、アロマターゼ活性を測定した。また、アロマターゼの各組織特異的なプロモーター領域を含むレポーターベクターを構築し、フェノタイプの異なる複数のヒト乳癌培養細胞を用いて、転写活性の変化をルシフェラーゼアッセイで解析した。さらに、プロモーター領域特異的なアロマターゼのmRNA発現についてリアルタイムPCRで解析した。いずれの解析結果も、PCP4とアロマターゼ発現には密接な関係があり、PCP4を標的としたアロマターゼ阻害剤の可能性が示唆されたため、これらについて誌上にて報告した(PCP4/PEP19 upregulates aromatase gene expression via CYP19A1 promoter I.1 in human breast cancer SK-BR-3 cells. Oncotarget. 2018 Jul 3; 9(51): 29619-29633.)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト乳癌培養細胞においてPCP4はアロマターゼの発現調節に関わっており、その制御はアロマターゼ遺伝子の転写を介していることが明らかとなった。これらの結果を誌上にて報告した。
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今後の研究の推進方策 |
PCP4はアロマターゼ遺伝子の転写活性に影響を及ぼしていることが明らかとなったことから、その転写活性調節機構の詳細について、ルシフェラーゼアッセイ、ゲルシフトアッセイ等で検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に用いた試薬量が予定よりわずかに少なかったためであり、次年度でも引き続き使用する消耗試薬を購入する予定である。
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