研究課題/領域番号 |
18K07019
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
東 美智代 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 准教授 (60315405)
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研究分担者 |
横山 勢也 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20569941)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | MUC / methylation / prognosis / 膵胆道系腫瘍 / 病理 |
研究実績の概要 |
本研究では、難治性腫瘍である膵胆管系腫瘍に関して予後因子であるムチン抗原発現の検討を基板としている。切除検体でのムチン抗原発現と予後とが相関していることは膵胆管系腫瘍のみで無く他臓器でも報告されている。現在は、手術によって得られた切除検体のみで無く、手術前に採取された超音波ガイド下穿刺生検(EUS-FNA)検体、膵液や胆汁などの検体も用いて解析を行っている。術前検体での解析が腫瘍の質的診断や早期診断に応用可能であることを明らかにするために、ムチンの免疫染色のみでなく、我々が独自に開発したMSE法を用いてムチン遺伝子のメチル化状態を調べることも行っている。得られた結果は術前生検組織で得られた結果で予後が推測しうるという有意義なものであった。しかし、解析結果の判断は多種類存在するムチンのタイプに応じて設定しなければならず、膨大な時間とそれに精通した人員が必要な点が難点であった。そこで、まず膵腫瘍に関して、その他の臨床病理学的事項等も合わせた膨大な情報を機械学習を用いて解析することに着手した。まだ改善すべき点はあるが、実験結果をある程度、半自動的に解析することに成功することが出来、学会で発表した。今後は胆道系腫瘍に関しても慈雨用の試みを行い、論文にする予定である。また同様の手技を用いてムチンに関連する因子や、その発現に関連するとされる因子についても検討しており、早期発見や予後予測に関連する因子をより簡便に抽出することを目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた症例は順調に集積出来ており、解析も滞りなく進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
通常型膵癌と膵管内乳頭粘液性腫瘍についてはある程度の症例が集積出来ており、解析も進んでいる。今後は、既採取データを用いた予測モデルを利用して、予後や薬剤等への反応予測が可能かどうかについて調べていく。また胆管癌や胆嚢癌についても、膵腫瘍で得られた知見を元に解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究は概ね順調に進んでいる。収集した検体の解析は、ある程度の症例数が蓄積されてから行った方が効率が良く経費も抑えられる。そのため、予算執行の時期がずれ込み残金が生じた。今年度は前倒しで実験を行っていく予定である。
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