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2018 年度 実施状況報告書

胃乳頭状腺癌における臨床病理学的および分子病理学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K07023
研究機関岩手医科大学

研究代表者

上杉 憲幸  岩手医科大学, 医学部, 講師 (10291618)

研究分担者 菅井 有  岩手医科大学, 医学部, 教授 (20187628)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード胃乳頭状腺癌
研究実績の概要

胃乳頭状腺癌は管状腺癌とともに分化型腺癌に分類されているが、両者は異なる臨床病理学的特徴を示す。したがって、両者は異なる分子生物学的特徴を有することが推測されるが、胃癌における分子病理学的解析は管状腺癌を中心に行われており、乳頭状腺癌については充分な検討がなされていない。一般的に癌における分子病理学的異常の差異は癌の生物学的病態と関連することから、癌の分子異常の確立は患者の治療を決定する上でも重要である。そこで、本研究では胃乳頭状腺癌の分子異常の特徴を明らかにし、分子病型を確立することを目的としている。
現在、胃乳頭状腺癌63例に対する解析が完了しているが、MSIを示した症例は63例中10例 (15.9%)と過去の報告とほぼ同じ頻度であった。胃乳頭状腺癌では、MSSおよびMSIの両者で胃型粘液形質を示す症例が多く、共通の特徴と思われた。MSS型乳頭状腺癌では(1) p53蛋白過剰発現、(2) HER2過剰発現、(3) 高LOH状態、および (4) 低メチル化状態の頻度がMSI型癌と比べ、高かった。これらの結果より、MSS型乳頭状腺癌は生物学的悪性度が高い可能性が示唆されるが、今後症例数を蓄積して検討する必要があると思われた。また、通常型の胃管状腺癌との差異も充分に明らかではなく、今後の検討が必要と考えた。加えて、現時点での解析は浸潤癌を中心に行われているが、腫瘍発生に関連する分子異常の確立のためには早期病変における解析が必要であり、内視鏡的切除症例についての検討も行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分子解析に関しては、過去に切除された症例のパラフィンブロックから抽出したDNAを用いての解析が可能であり、症例の蓄積が滞りなく行えている。最終的な解析予定症例数は100例であり、引き続き症例数の蓄積が必要と考えられる。

今後の研究の推進方策

症例数のさらなる蓄積を行い、胃乳頭状腺癌と通常型胃管状腺癌との比較を行うことで、胃乳頭状腺癌の分子病型の確立を行う予定である。解析予定症例数は100例を目標としており、さらなる症例の抽出、蓄積が必要である。加えて、胃乳頭状腺癌の腫瘍発生に関連する分子異常の検討のため、内視鏡切除標本を用いた早期病変についても解析を同様に行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

物品における見積額と実際の支払額との差異により生じたと考えられる。次年度分の物品費として使用する予定を考えている。

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公開日: 2019-12-27  

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