胆道癌の統合分子サブタイピングの確立を目的に、受容体型チロシンキナーゼの一種PDGF-Dとプロテアーゼであるmatriptaseについて検討した結果、癌間質でのmatriptase高発現例は予後不良であった。また、肝外胆管癌について、腫瘍の不均一性を考慮した新たなスコアシステムを考案して報告した。さらに、胆管癌の生検、細胞診の診断精度向上の有用なマーカーを選定するため10種類の抗体について免疫組織化学染色で検討したところ、感度、正診率では、S100PとIMP3が比較的良好な成績を示した。p53、S100A4、Maspinは、感度は低かったが特異度は高く、症例によっては有用と考えられた。
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