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2018 年度 実施状況報告書

メラノーマにおけるがん遺伝子産物MITFのSUMO化機構の解明と標的治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K07031
研究機関愛知医科大学

研究代表者

村上 秀樹  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (90303619)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードメラノーマ / MITF / SUMO化
研究実績の概要

MITFはメラノーマの発症、進展に関与する転写因子であり、遺伝子増幅、変異による活性化が報告されている。MITFの転写活性は翻訳後修飾(リン酸化、ユビキチン化、SUMO化など)により制御される。MITFはSUMO化により転写活性が抑制されるが、悪性黒色腫におけるMITFのSUMO化およびSUMO化に関与する分子(HDACなど)の発現については明らかでない。本年度は臨床検体(悪性黒色腫病理標本)でのHDAC、MITFの発現、MITFのSUMO化についての解析を行った。現在まで20症例を用いてHDAC4, HDAC9, MITF, SUMO-1の発現について免疫組織化学染色による解析を施行した。MITF, SUMO-1は全症例で主に核に発現がみられた。HDAC9は全例で主に核での発現が認められた。HDAC4は3症例で発現がみられず、3症例で発現レベルが低下していた。MITFのSUMO化については、MITF抗体(マウスモノクローナル)およびSUMO-1抗体(ウサギモノクローナル)の2つの抗体を用いたProximity ligation assay(PLA)法により解析を行った。HDAC4の発現のみられない症例ではシグナル(SUMO化MITF)は低値であり、HDAC4の発現がみられる悪性黒色腫およびSpitz's nevusではシグナルが高値であった。PLA法での解析は少数例であるがHDAC4の発現とMITFのSUMO化との関与が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

症例の収集および免疫染色に使用可能な抗体および染色条件およびPLA法の条件設定に時間を要した。

今後の研究の推進方策

現在、悪性黒色腫症例50例の免疫組織染色、PLA assayを施行する予定である。BRAFの遺伝子変異の有無、PTENの発現の有無についても解析を行い。MITFのSUMO化とHDACの発現との関連および臨床病理学的な特徴を明らかにしていく。さらに、細胞株を用いた解析を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

解析症例の収集に時間を要し、目標としていた症例数の解析が行えず物品費等の購入をしなかったため、次年度使用額が生じた。

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公開日: 2019-12-27  

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