MITFはメラノサイトの系譜を存続させるがん遺伝子であり、MITFの転写活性はリン酸化、ユビキチン化あるいはSUMO化などにより制御されている。我々はヒストン脱アセチル化酵素の一つであるHDAC4がMITFのSUMO化を介してMITFの転写活性を抑制することを見出した。メラノーマ検体や細胞株において、HDAC4の発現とMITFのSUMO化には相関が認められた。カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼシグナル伝達の活性化によりHDAC4は細胞質に移行し、MITFとの結合は低下した。CaMK阻害剤を用いたMITFのSUMO化の促進は、有効な抗メラノーマ治療戦略になる可能性が示唆された。
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