研究課題
多発性硬化症の新規治療開発を目的として実験的自己免疫性脳脊髄膜炎マウスモデル(Experimental Autoimmune Encephalomyelitis: EAE) を用いて以下を明らかにした。1.疾患特異的CD4T細胞の分化機構の解析:転写因子Xが欠損したマウスではPD1陽性疾患特異的CD4T細胞の分化が神経炎症部位に誘導されず、神経症状も発症しなかった。そこで転写因子Xが発現を制御する転写因子Yとのダブル欠損マウスを用いてEAEの発症を検討した。ダブル欠損マウスでは野生型と同様に神経症状が発症し、疾患特異的CD4T細胞の分化も認められた。このことからEAEの発症が転写因子X,Y経路に依存していることが明らかになった。2.ドラッグデリバリ―法を応用した薬剤投与法の開発:薬剤をリポゾーム化し、投与することで単回、少量の投与で神経症状改善に有効かを確認した。IVISを用いて解析を行い、神経症状を観察した結果、二次リンパ臓器には長期の薬剤供給がなされることを確認したが、神経症状の改善には効果を示さなかった。3.スクリーニングで得られた低分子化合物の有効性・安全性の検討:細胞実験での低分子化合物の安全性は細胞死を検討することで確認できた。しかしながらマウスに投与するために必要な量の低分子化合物の提供をいただくのは難しく、EAE発症後に投与して神経症状の改善が認められるか解析することはできなかった。
すべて 2021 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (2件)
Sci Rep.
巻: 4;11(1) ページ: 3191.
10.1038/s41598-021-82785-1
www.m.chiba-u.ac.jp/dept/biomed/
www.m.chiba-u.ac.jp/dept/shikkanseimei/