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2021 年度 実施状況報告書

CBP/p300依存性EGFRシグナリングを利用した皮膚恒常性維持制御法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K07039
研究機関琉球大学

研究代表者

市瀬 多恵子  琉球大学, 病院, ポスドク研究員 (00396863)

研究分担者 市瀬 広武  琉球大学, 医学部, 准教授 (10313090)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードCBP/p300 / 皮膚 / ケラチノサイト
研究実績の概要

Mig6は、EGFR依存性の癌における癌抑制遺伝子として知られており、EGFリガンド刺激に対するEGFR下流でのネガティブフィードバック制御や、様々な刺激・ストレスによって発現誘導を受ける遺伝子である。Mig6の適切な発現制御は、過剰、あるいは不十分なEGFRシグナリングの補正に重要であり、発現レベル制御法の開発が望まれる。我々は、CBP/p300の発現量減少により、Mig6の発現量が減少し、EGFRのリン酸化レベルの亢進、Ras-Raf1-Mek1/2-Erk1/2下流経路の活性化亢進が生じる事を明らかにした。
本研究では、CBP/p300依存性のアセチル化レベルを、インヒビターやアクチベーターを用いて変化させることで、Mig6の発現量を減少させ、EGFRシグナリングを遮断することなく、EGFRシグナリングの強度を人為的かつ適切に制御する方法について検討する。
2021年度は、CBP/p300の酵素活性を抑制するCBP/p300インヒビター、あるいはCBP/p300依存性のアセチル化修飾を亢進する効果を有するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)インヒビターの存在下で、独自に作出したヒト不死化ケラチノサイトを培養し、各種インヒビターの特異性、至適濃度、反応時間の検討を行った。ウエスタンブロットによりヒストンH3のリジン残基のアセチル化を検出し、特異性の指標とした。また、EGFRシグナリングの抑制・亢進の効果に関して、Mig6発現量やEGFRのリン酸化レベル、Ras-Raf1-Mek1/2-Erk1/2下流経路の活性化に変化が生じるか検討した。対照として、CRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集により作出した、CBP、p300遺伝子破壊ヒトケラチノサイトを用いることで、インヒビターの特異性を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、学内共同利用実験施設の利用制限措置などがあり、実験を一時的に中断する必要が生じた。また、CBP/p300インヒビターの種類によっては、特異性が低い、ヒストンH3のリジン残基のアセチル化が低下しない、など効果が見られないこともあり、条件検討に時間を要した。しかし、当初の目的には近づいており、おおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

2022年度は、CBP/p300インヒビター、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)インヒビターのヒト不死化ケラチノサイトに対する効果をさらに検討し、論文としてまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

現在、ヒト不死化ケラチノサイトに対する、CBP/p300インヒビター、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)インヒビターの効果を継続して検討しており、細胞培養用試薬、プラスチック製消耗品、抗体、一般試薬および酵素類などを購入する費用が必要である。
また、本研究課題に関与する結果をまとめた論文を投稿準備中であり、外国語論文の校閲料、論文投稿料が必要であるため、その資金に充てる。

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公開日: 2022-12-28  

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