研究課題/領域番号 |
18K07041
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
久木山 清貴 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00225129)
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研究分担者 |
中村 和人 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (30456488)
渡辺 一広 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (50535549)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | phospholipase A2 受容体 / 炎症 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
当研究室にて既に開発した可溶型PLA2R1血中濃度測定方法(ELISA)にて約800例の心疾患症例の血漿を用いて解析した。その結果、可溶性PLA2R1血中濃度がネフローゼ症候群のバイオマーカーとなる可能性が示唆された(投稿準備中)。PLA2R1欠損のBALB/cマウスを用いた自己免疫性心筋炎モデルを解析した結果、心筋炎の病態にsPLA2-PLA2R1が重要な役割を有することを示した(Inflammation. 2020 Feb 3)。また、sPLA2-V欠損マクロファージにおいてacetyl LDLのエンドサイトーシスが低下していることを見出し、現在この機序を解明中である。 (1) 可溶型PLA2R1血中濃度の循環器疾患の診断マーカーとしての確立: 約800例の心疾患症例の血漿を用いて解析した結果、尿中アルブミン量が多いほど可溶性PLA2R1血中濃度が高い傾向を示し、ネフローゼ症候群のバイオマーカーとなる可能性が示唆された(投稿準備中)。(達成率80%) (2) 各種PLA2欠損マウスの心血管病における役割の検討: PLA2R1欠損のBALB/cマウスを用いた自己免疫性心筋炎モデルを解析した結果、sPLA2が心筋炎を惹起すること、PLA2R1がsPLA2をクリアランスすることで心筋炎を抑制することを見出した。心筋炎の病態にsPLA2-PLA2R1が重要な役割を有することを示した(論文投稿準備中)。また、sPLA2-V欠損マクロファージにおいてacetyl LDLのエンドサイトーシスが低下していることを見出し、現在この機序を解明中である。(達成率70%) (3) ヒトサンプルを用いたsPLA2・PLA2R1の発現解析:ヒト胸水および心嚢液中のPLA2R1が心外膜炎または胸膜炎の病態に関与している可能性を明らかにしつつある。(達成率10%)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各項目の達成率は、上記の当該年度の研究実績の概要に記載したとおりですが、概ね当初の計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通りに推進していく予定である。特にsPLA2-V欠損マクロファージにおいてacetyl LDLのエンドサイトーシスが低下していることを見出したので、この機序を解明する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品注文が遅れる単純ミスのために次年度使用額が発生しました。次年度分と合わせて全て物品費として使用する計画です。
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