本研究の目的はタンパク質凝集体の蓄積を共通の特徴とする“凝集体難病”に対する治療戦略の確立である。研究代表者が小胞体膜微小環境中にタンパク質凝集体形成阻害能を見出し、その分子実体として機能不明の小胞体膜貫通タンパク質CLN6を同定したことをふまえて展開した。研究期間内に(1)CLN6遺伝子内の変異に応じて、同分子が凝集を阻止できる基質の多様性は制限されるものの、「全か無か」式の制御は受けないこと、(2)CLN6変異体間に機能干渉が生じ、凝集体形成阻害能が無効化され得ること、(3)CLN6尾部の動きは制限されており、この制約がCLN6変異体による機能干渉への抵抗性をもたらすこと、を明らかにした。
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