本研究では、未だ治療法のない遺伝性脳小血管病CADASILの治療法を、患者由来iPS細胞を用いて開発することを目的としていた。CADASIL特異的なGOMと呼ばれる凝集体や、アクチン呼格の異常などを再現できるin vitroモデルを確立することに成功し、PDGFRβなどの治療標的候補を絞り込むことができた。また、oligodendrocyte precursor cell(OPC)への分化実験により、発達段階でOPCの分化異常が起きている可能性もでてきた。また、この分化障害は、PDGFRβを阻害する薬剤の投与により改善できるという結果も得られた。
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