研究課題/領域番号 |
18K07069
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
常山 幸一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10293341)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 非アルコール性脂肪肝炎 / 胆汁酸 / 短鎖脂肪酸 / ラマン顕微鏡 / 動物モデル |
研究成果の概要 |
高脂肪・高コレステロール食投与マウスに一次胆汁酸を添加し、肝臓に非アルコール性脂肪肝炎に特徴的な線維化を誘導する事に成功した 。ラマン顕微鏡や質量顕微鏡で肝細胞に蓄積する脂肪滴や周囲微小環境を解析し、隣接する肝細胞の脂肪滴の脂質組成が異なる事や、特異的な脂質がマクロファージの活性化を介して線維化に関連している事を明らかにした。メタボリックシンドロームを自然発症するTSODマウスに各種オリゴ糖を投与し、血糖値、尿糖や肝組織像が改善することを明らかにした。オリゴ糖は腸内細菌への好影響が指摘されており、短鎖脂肪酸のバランスが是正されていたことから、食によるNASH予防・治療の可能性が示された。
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自由記述の分野 |
実験病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メタボリックシンドロームの肝表現型である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は患者数が急増している難治性疾患である。研究代表者は脂質と胆汁酸を交えた食によって、マウスにヒトと類似したNASH-線維化を誘導することに成功し、これらモデル動物を用いてNASHの線維化に異常脂質や胆汁酸が関与していることを明らかにした。さらに食の成分であるオリゴ糖の投与によって腸内環境の改善による短鎖脂肪酸のバランス是正が生じ、NASHの病態が改善することを見出した。本研究はNASHの発症進展や病態改善がいずれも食によってコントロールできる可能性を示したものであり、NASHの全容解明に有用な知見と考えられた。
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