研究課題/領域番号 |
18K07076
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
長尾 静子 藤田医科大学, 疾患モデル教育研究サポートセンター, 教授 (20183527)
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研究分担者 |
釘田 雅則 藤田医科大学, 疾患モデル教育研究サポートセンター, 講師 (50440681)
山口 太美雄 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (70536292)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 慢性腎臓病 / CKD / 多発性嚢胞腎症 / PKD / 食塩感受性高血圧 |
研究実績の概要 |
慢性腎臓病 (Chronic Kidney Disease)に陥る多発性嚢胞腎症モデルラットPCKおよび食塩感受性高血圧を併発する多発性嚢胞腎症の新規疾患モデルラットSS-PCKの腎臓組織における、メタボロミクス解析、プロテオミクス解析およびリン酸化プロテオミクス解析により、ヒトの予防医学・先制医療に寄与することを目的とした。メタボロミクス解析を行ったPCKラットでは、314代謝産物が検出された。特記すべきは、52代謝物がPCKの腎臓にのみ検出されたことである。314代謝産物は、解糖系、TCA、ペントースリン酸、尿素、クレアチニン、グルタチオン、分子アミノ酸、 芳香族アミノ酸、 トリプトファン等の経路に分類され、活性化していることを発見した。これらの内、特に、トリプトファン代謝経路について注目し、この経路の詳細な代謝産物およびこの経路に関わる酵素について検証し、現在、病態に関与する因子を確定しつつある。一方、プロテオミクス解析およびリン酸化プロテオミクス解析が、両疾患モデル(PCKラットおよびSS-PCKラット)において行われた。特に、SS-PCKにおいては、503のリン酸化蛋白質を検出し、有意に増加(49個)あるいは減少(42個)する合計91個のリン酸化蛋白質を検出した。これらの結果をKEGG等で解析したところ、新規病態関連経路の候補となる細胞接着と転写因子等の活性化を見出した。現在、多数発見された病態関連経路や病態関連因子について詳細に検討しているところである。加えて、病態を抑止する化合物によって、これらの経路や因子が変化することを検証している。
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