現在、難病である潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)の患者数は年々増加傾向にあります。しかもIBDは若年発症する患者が大多数を占めており、難治例では患者の人生設計に大きな影響を与える可能性があります。また、難治性症例では生物学的製剤などの高額な医療費が継続的に必要となり、医療経済的にも大きな負担となっています。現在、まだIBDの根本原因は同定されていないため、根治治療法は確立されておらず、寛解維持が治療のゴールと考えられています。今回の我々が行なった基礎的な研究成果が、近い将来、疾患の原因究明や疾患活動性マーカー、新規薬剤の開発に寄与する可能性が考えらる。
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