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2022 年度 実績報告書

メラノコルチン1型受容体機能低下の膵臓発がんへの関与

研究課題

研究課題/領域番号 18K07081
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

高橋 真美  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (90214973)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード膵臓がん / メラノコルチン受容体 / SNPs / 細胞株 / マウスモデル
研究実績の概要

メラノコルチン受容体(MCR)のうち、MC4Rは摂食抑制やエネルギー代謝、MC1Rは色素合成や抗炎症・免疫に関与しており、全体として肥満や生体防御異常に関わっている。これらのインバースアゴニストであるAgoutiの過剰発現モデルによってマウスの膵臓発がんが促進されたことより、本研究では、MC1Rの機能低下と膵発がんとの関わりについて検討を行なった。R4年度は、以下について検討を行った。
マウス膵臓発がんモデルとMc1r変異を有するMc1r<e/e>マウスとの交配実験を終了した。発がん頻度は、雄ではMc1rの野性型、ヘテロ変異型では差は見られず、ホモ変異ではやや低くなる傾向にあり、雌ではMc1rの野性型に比べ、ホモ変異型、ヘテロ変異型でやや発がん頻度が高まったが、いずれも有意差は認められなかった。ヘテロ変異型に比べ、ホモ変異型型、野性型の出生率がメンデルの法則より低く、個体数を多数集めるのが困難であった。
Mc1r<e/e>マウスは、肥満モデルのAyマウスと同様に毛色は黄色を呈するが、肥満はせず、加齢による膵臓の脂肪浸潤も認められなかった。高脂肪食によって肥満させ、膵臓の脂肪浸潤が起きるかどうかを検討したが、野性型と同レベルであった。
Agoutiによる膵臓発がん促進は、雌で有意に見られており、Mc1rの機能低下も一部関わっている可能性はあるが、肥満を引き起こすことが知られているMc4rの阻害の影響が大きいと考えられ、今後、Mc4rの阻害や、Mc4rとMc1rの同時阻害の膵臓発がんへの影響を検討していきたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 患者由来膵がん細胞株におけるメラノコルチン4型受容体遺伝子近傍SNPのLOH及びアレル特異的遺伝子発現に関する解析2022

    • 著者名/発表者名
      高橋 真美、千脇 史子、小松 将之、松崎 圭祐、平岡 伸介、竹下 文隆、佐々木 博己、今井 俊夫
    • 学会等名
      第81回日本癌学会
  • [学会発表] フコキサンチンは同種同所移植マウスモデルによる転移モデルにおける膵がん発生を抑制する2022

    • 著者名/発表者名
      村瀬 渉、田中卓二、高橋真美、武藤倫弘、寺崎 将
    • 学会等名
      第81回日本癌学会
  • [学会発表] 患者由来がん細胞株による転移モデルマウスの開発2022

    • 著者名/発表者名
      千脇 史子、小松 将之、高橋 真美、平岡 伸介、佐々木 博己、竹下 文隆
    • 学会等名
      第81回日本癌学会

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公開日: 2023-12-25  

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