白人由来の膵がん細胞株におけるMC1Rの一塩基多型(SNP)を調べたところ、8株中5株(62.5%)が赤毛・色白タイプの顕性バリアントを有しており、欧州人に見られる割合(26%)と比較して高い頻度であった。一方、日本人患者由来の72症例の膵臓がん細胞株におけるMC1R SNPを解析したところ、日本人に多い潜性バリアントの1つが69%の細胞株で両アレルに認められ、一般の日本人(54%)より有意に高いことを見出した。MC1Rバリアントは膵臓がんの危険因子である可能性が考えられた。しかしながら、Mc1r変異を有するMc1r<e/e>マウスでは、発がんや腫瘍増殖に対する明らかな影響は認められなかった。
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