本研究では筋衛星細胞における新規の未分化維持機構を明らかにすることを目的とした。レチノイン酸受容体およびレチノイド受容体アゴニストの筋分化能に対する効果を検討した結果、レチノイン酸受容体アゴニストで高い分化抑制効果が見られた。次に、培養に用いる細胞外基質について検討した結果、ラミニンフラグメントが最も優れた分化抑制効果を持ち、レチノイン酸と共に培養することで相乗的に分化抑制効果をもたらすことが明らかとなった。また、ヒト筋衛星細胞においても本培養法で分化を抑制しうること、さらに培養した筋衛星細胞を免疫不全-mdxマウスに移植するとより効率よく筋再生に寄与することが明らかとなった。
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