研究課題
基盤研究(C)
これまでにTrypanosoma cruzi 感染細胞では宿主アポトーシスおよびオートファジーが抑制することを明らかにし、今回、感染宿主細胞のトランスクリプトーム解析を行った。その結果、アポトーシス経路が有意に抑制され、またNF-kB経路が活性化されることがわかった。オートファジー関連遺伝子の変動は少なかったがmTOR経路が活性化されることが示唆された。生化学的解析でもmTORタンパク質の脱リン酸化が起きており、オートファジーが活性化されることが裏付けられた。
寄生虫学
シャーガス病は我が国には輸入寄生虫症として報告があるが、中南米では700万人以上の感染者がおり、国際協力という観点において重要である。本研究は、トランスクリプトーム解析により原虫感染による宿主遺伝子発現を網羅的に解析し、この中にはかなりのデータが含まれている。アポトーシスやオートファジーに限らず、シャーガス病研究さらには他の感染症研究に役立つ情報が含まれており、学術的に意義があると考えられる。