マラリアによる死亡の9割は5歳未満の乳幼児である現状から、経口投与による治療は難しく、注射器等を用いる治療は現地の状況を鑑みて、推奨出来ない。我々は経口投与で優れた抗マラリア薬効と完治効果を示す新規抗マラリア薬候補として見出した有機合成化合物・ N-89, N-251が非侵襲性で乳幼児へのマラリア治療に適用可能であることを見出した。即ち、N-89とN-251の薬効を長期間持続しながら副作用が発現した時に対処しやすい剤形である経皮吸収型製剤が in vivo 実験でマラリアを完治することを明らかにした。この結果は単剤で安価でかつ簡便に重症マラリアで死亡するアフリカの乳幼児の救命に貢献できる。
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