研究課題/領域番号 |
18K07098
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
倉園 久生 徳島大学, 研究支援・産官学連携センター, 教授 (90186487)
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研究分担者 |
山崎 栄樹 帯広畜産大学, 動物・食品検査診断センター, 准教授 (40514708)
奥村 香世 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (70415561)
山本 新吾 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80322741)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 尿路病原性大腸菌 / 尿路感染症 |
研究実績の概要 |
ワクチンを利用した新しいUPEC治療法を確立するには、UPECの病原因子に関して詳細なデータを収集し、USPをはじめとする病原因子の機能を十分に理解することが必要不可欠である。本研究の初年度および翌年度は、1) Uropathogenic specific protein(尿路病原因子、USP)の生物活性を明らかにすること、2) USP検出系の構築を目的として研究を遂行した。これらの研究により、USPの抗菌活性作用および細胞障害性を検討し、この分子が既報の類似分子とは異なる細胞障害性を示すことを明らかにした。
最終年度は、尿路病原性大腸菌の薬剤耐性に関する基礎的情報を収集することを目的として、薬剤感受性レベルが異なるUPEC株を用いて次世代シークエンス解析を実施した。具体的には、これらの菌株はLVFXのMICを測定し、MiSeqシステムを用いてシークエンス解析を行った後、得られたデータは現有の解析ソフト(CLC Genomics Workbench)およびWebアプリケーションを用いて変異箇所の検出等を実施した。
この解析により、薬剤耐性度が上昇するのにつれて変異が生じた箇所を選抜したところ、各菌株でそれぞれ、数十程度の遺伝子が該当し、GUC9系とGFCS1系の異なる遺伝背景を有する系統で共通する遺伝子にも変異が生じていることが明らかになった。個別の遺伝子の詳細については現在、論文執筆を行っている段階であるため報告を控えるが、これらの遺伝子変異がLVFX耐性獲得において重要な役割を果たすことが示唆された。
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