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2020 年度 実績報告書

ピロリ菌CagAタンパク質による病原シグナル生成の構造-機能連関解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K07105
研究機関東京大学

研究代表者

林 剛瑠  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (10722209)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードピロリ菌 / CagA / 胃がん
研究実績の概要

ピロリ菌CagAがヒト細胞内で形成するシグナル撹乱複合体の構造と機能の解析を試みた。がんタンパク質SHP2はチロシンリン酸化CagAとの結合によって活性化され、PAR1bは非リン酸化依存的にCagAと結合してCagA-SHP2相互作用を増強し、Cskはリン酸化依存的にCagAと結合しCagA-SHP2相互作用を抑制することを見出した。またPAR1bならびにCskはそれぞれ二量体化し、CagA-SHP2相互作用に及ぼす影響はこの二量体化に依存していることが示唆された。さらにはPAR1bの二量体化には因子Xが必要であり、このような極めて複雑な相互作用形成のため共結晶化による複合体解析は難航した。今後は、最近急速に技術革新の進んでいるクライオ電子顕微鏡等を用いた異なるアプローチから複合体解析の実施を視野に入れている。
一方、新たな展開としてCagAによるSHP2の酵素学的活性化に着目し、この活性化機構を標的とした阻害化合物の探索によって、SHP2の異常活性化に重要な相互作用の解析にアプローチした。以前の研究においてCagAによって活性化されるSHP2の酵素活性をハイスループットに検出するHTS実験系を構築済みであり、本HTSを用いて延べ4万種を超える化合物ライブラリーから阻害化合物を検討した。その結果、SHP2の触媒ドメインには直接作用せずCagAとの結合によって誘導されるSHP2のアロステリック構造変化を阻害しうる新規の化合物Aを得ることに成功し、SHP2の活性化機構とその阻害機序について新たな知見を得ることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Alternative splicing reverses the cell-intrinsic and cell-extrinsic pro-oncogenic potentials of YAP12020

    • 著者名/発表者名
      Ben Chi、Wu Xiaojing、Takahashi-Kanemitsu Atsushi、Knight Christopher Takaya、Hayashi Takeru、Hatakeyama Masanori
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 295 ページ: 13965~13980

    • DOI

      10.1074/jbc.RA120.013820

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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