本研究では、日本で臨床分離された粘稠性を示すK. pneumoniaeのゲノム解析を実施し、粘稠性と病原遺伝子および薬剤耐性遺伝子との相関を検討した。その結果、rmpA/rmpA2遺伝子を持つ株は37℃で高度な粘稠性を発現している株の割合が多かった。一方、rmpA/rmpA2遺伝子を持たない株は室温で高度な粘稠性を示すことが分かった。また、もともと粘稠性を示す株に、薬剤耐性遺伝子を保有するプラスミドが転移することで粘稠性を示す薬剤耐性株が発生したと推察された。これにより、薬剤耐性を示す高病原性株が発生するメカニズムを明らかにできる可能性を示した。
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