高度多剤耐性アシネトバクター属菌が日本や東南アジアの医療施設で新興し、感染症治療および院内感染対策上の大きな脅威となっている。本研究の結果、多剤耐性アシネトバクター属菌のプロファージに関与する遺伝子が16S rRNAメチラーゼ遺伝子及びカルバペネム耐性遺伝子をアシネトバクターの染色体にインテグレートさせて高度耐性化していることが分かった。アシネトバクターや緑膿菌は薬剤耐性化しやすいが、成育環境によってはプラスミドではなく、染色体に薬剤耐性因子を保有することで生き残る確率を上げていることが示唆された。
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