現在、ヒトに対するボツリヌス食中毒は大幅に減少した一方で家畜に対するボツリヌス中毒は、世界各地で散発しており一度に多額の被害を与えることがある。ひとたびボツリヌス中毒に罹患すると筋肉麻痺等が長期間に渡って起こることが知られている。ボツリヌス中毒における神経毒性については多くの研究が行われているが、どのようなメカニズムで毒素が体内に侵入するのかについては不明な点が多い。本研究の成果は、ボツリヌス毒素が体内に侵入するメカニズムの解明の一端を示すものであり、ボツリヌス中毒の予防や治療、さらに毒素の体内侵入メカニズムを応用した薬剤送達システムの開発に重要な知見となるものである。
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