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2019 年度 実施状況報告書

新興回帰熱病原体Borrelia miyamotoiの血清耐性因子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K07132
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

川端 寛樹  国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (60280765)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードBorrelia miyamotoi / ボレリアミヤモトイ病 / ダニ媒介性 / 血清耐性 / 新興回帰熱
研究実績の概要

Borrelia miyamotoi血清耐性機序解明を目的として、形質転換可能かつ血清感受性のBorrelia garinii株をrecipientとして、B. miyamotoiの表層抗原遺伝子を個別に導入したライブラリーを作成し、この内B. miyamotoi 由来のt-027ならびにt-76遺伝子がB. gariniiに血清耐性能を付与することを明らかにしてきた.これら遺伝子は一次配列で95%以上の相同性を示したことからその機能性についてはt-27, t-76遺伝子ともに共通と推測し、本研究ではT-27遺伝子に絞って解析を実施している。
t-27遺伝子はmock controlに対して1000cfu以上の血清耐性能を親株に付与した.またT-027遺伝子の3'側より欠失変異株を作成し、血清耐性に必要なドメインがC末端側に存在することを明らかにした.また昨年度までの研究では、T-027抗原はクラスタリンとの結合能を有することが明らかにしていたが、これに加えて本B. miyamotoi由来抗原がビトロネクチン結合能を有することがpull down assayなどから明らかとなった.T-027抗原のビトロネクチン結合ドメインはC末端側に存在することも本研究で明らかとなった.これは欠失変異株を用いた血清感受性試験に基づく機能ドメイン解析結果と矛盾は生じなかった。
ビトロネクトンは血清中に豊富に含まれるタンパク質で補体系の負のレギュレーターであるとともに、インテグリンなど血管内皮細胞表面に提示される抗原とも結合する.本遺伝子はボレリアミヤモトイ病病原体B.miyamotoiの血清耐性能に深く関与することは明らかであるが、これに加えて血管内皮への病原体接着などにも関与する可能性も考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ボレリアのヒト血清に対する低感受性は、ヒト補体系に対する負の制御系を介したメカニズムである可能性が強く示唆された.特にBorrelia属細菌がVitronectinを介した血清耐性能を有しているのは初めての知見である.

今後の研究の推進方策

Borrelia miyamotoiの血清耐性にVitronectinが関与している直接の証拠を提出する.具体的には、Vitronectinをdepleteしたヒト血清からでは耐性能力が低下すること、ならびにこれに組換体Vitronectinを添加し、その対性能がrescueされることを確認する.

次年度使用額が生じた理由

(理由)年度末納品等にかかる支払いが令和2年4月1日以降となったため,当該支出分については令和2年度の実支出額に計上予定。平成31年度分についてはほぼ使用済である。
(使用計画)当初の計画に沿って実施予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ボレリアの新規病原性評価ツールによる血清耐性機能の解析.2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤梢,熊谷由美,関塚剛史,黒田誠,林哲也,高野愛,大西真,川端寛樹.
    • 学会等名
      第162回日本獣医学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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