高齢者への重篤な感染症例が近年になり急増している溶血性レンサ球菌Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis (SDSE) について、その病原性発揮機構を解析した。SDSEは2型糖尿病モデルマウスに対して高い致死誘導性を示し、その際には血清中での顕著なサイトカイン放出が観察された。また、SDSEは皮膚ヒアルロン酸を分解する酵素を大量に放出することで栄養素として取り込み増殖することで病原性を発揮していた。さらに、流行型のSDSEは、細胞外構造や増殖機構などでそれぞれ固有の性状を有していた。以上より、SDSE固有の病原性発揮メカニズムが明らかになった。
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