免疫不全患者はインフルエンザに感染した場合、抗ウイルス薬による治療にも関わらずウイルスが体内に長期間持続し予後は不良、かつ耐性ウイルス検出事例が数多く報告されている。本研究では免疫不全モデルのヌードマウスを用い、ポリメラーゼ阻害剤およびウイルスのHAに対する抗体2種の併用効果について検討を加えた。その結果、3種併用群のみ、著名な体重減少を示さず188日間生残し、経時的に採取した肺からウイルスが検出されなかった。 このことから、抗体2種類とポリメラーゼ阻害剤の併用によりヌードマウスからウイルスが完全に排除されることが判明し、免疫不全患者への治療の選択肢となる可能性が示唆された。
|