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2020 年度 実績報告書

細胞膜ナノチューブによるHTLV-1感染伝播メカニズムの解明と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K07155
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

日吉 真照  国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 主任研究官 (40448519)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードHTLV-1 / 細胞膜ナノチューブ
研究実績の概要

安全性の高いナノチューブを阻害する方法を確立するために、まず、M-Sec阻害剤の細胞毒性について調べた。ヒトの血液細胞にM-Sec阻害剤を様々な濃度で添加して培養して細胞生存率を調べたところ、顕著な細胞毒性が見られないM-Sec阻害剤の濃度を明らかにすることができた。次に、血液細胞に限らずいろいろな種類のヒト細胞株にM-Sec阻害剤を添加して培養して細胞増殖アッセイおよび細胞周期アッセイを行い、細胞株の細胞増殖に影響がないM-Sec阻害剤の濃度を明らかにした。これらの濃度は全ての細胞と通じてほぼ同様の濃度であった。この細胞毒性がない濃度のM-Sec阻害剤は細胞のM-Sec機能阻害に十分な活性を示すかを確認したところ、これまでin vitroにおけるM-Secの発現抑制実験で観察されていたナノチューブ形成阻害を再現することがわかった。これらの結果から、in vitroにおけるM-Sec阻害剤のより安全な使用法を明らかにすることができた。現在、マウスを使った薬物動態解析を進めている。
さらに、細胞毒性を示さない濃度において、M-Sec阻害剤の抗HTLV-1活性を確認した。すなわち、HTLV-1キャリア末梢血由来のCD4+T細胞と健常人由来のCD4+ T細胞の共培養において細胞毒性を示さない濃度でM-Sec阻害剤を添加してM-Sec阻害剤のHTLV-1感染抑制効果を調べた。その結果、有意にHTLV-1感染を抑制することがわかった。
これらのことから、M-Sec阻害剤はHTLV-1感染抑制剤の候補として有望であると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] M-Sec facilitates intercellular transmission of HIV-1 through multiple mechanisms2020

    • 著者名/発表者名
      Lotfi Sameh、Nasser Hesham、Noyori Osamu、Hiyoshi Masateru、Takeuchi Hiroaki、Koyanagi Yoshio、Suzu Shinya
    • 雑誌名

      Retrovirology

      巻: 17 ページ: 20-20

    • DOI

      10.1186/s12977-020-00528-y

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 新たなHIV細胞間伝播法に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      野依修、日吉真照
    • 学会等名
      令和2年度HTLV-1関連疾患研究領域研究班合同発表会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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