研究課題/領域番号 |
18K07161
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
西辻 裕紀 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (20573661)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | long non-coding RNA / HBV |
研究実績の概要 |
HBVは肝臓細胞でのみ感染、複製を行うことが可能で、非肝臓細胞での感染、複製はほとんど起こらないことが知られている。そこで肝臓細胞と非肝臓細胞で発現しているlong non-coding RNAをマイクロアレイを用いて比較解析した。肝臓細胞にHepG2、Huh7、キメラマウス由来細胞を用い、非肝臓細胞には、293T、HeLa、THP1を用いて比較解析を行った。その結果、肝臓細胞でのみ特異的に発現しているlong non-coding RNAを12種類同定した。これら12種類のlong non-coding RNAが肝臓特異的に発現しているか、RT-qPCRで再度検討を行った。その結果、5種類のlong non-coding RNAが肝臓特異的に発現していることが示唆された。次に、これらのlong non-coding RNAがHBV感染、複製に影響しているか検討するため、siRNAを用いて、これらのRNAをノックダウンした。その結果、3種類のlong non-coding RNAがHBV感染、複製に影響を及ぼしていることが示唆された。さらに、その3種類を強制発現させ、HBV感染、複製への影響を検討した。その結果、1種類のlong non-coding RNAがHBV感染、複製を著しく促進することが示唆された。以上の結果から、少なくとも1種類のHBV感染、複製を制御するlong non-coding RNAを同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の研究では、肝臓細胞に特異的に発現しているlong non-coding RNAを同定し、その中からHBV感染に影響を及ぼすものを同定することを目標とした。 本研究は、肝臓特異的に発現するlong non-coding RNAを数種類同定し、さらにその中でHBV感染に影響を与えるものを同定できたので、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
同定したHBV感染に影響を与えるlong non-coding RNAをCRISPR-Cas9の系でノックアウトし、その機能評価を行う。
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